新潟5大ラーメンとは

新潟県のご当地ラーメンといえば「新潟5大ラーメン」ですね。この投稿では、個人的な主観と知識で新潟5大ラーメンを語ります。自分が以前から調べていたネット情報もありますので、ひょっとすると事実と異なることもあるかもしれませんが、その際はご了承ください。

「新潟あっさり醤油」

新潟市の主に古町で広がったラーメンで、はじまりは屋台から。古町の飲み屋街で呑んだお客が〆に食べていたラーメンがはじまりとされています。そのせいか、ラーメンの特徴にもしっかりと表れており、屋台の火力が弱いこともあって麺は細麺で茹でやすいようになっていたようです。新潟あっさり醤油の特徴というか、定義的な物は割とうやむやではありますが、澄んだスープはあっさりで、麺は極細麺でスープと絡みやすいように縮れています。代表されるラーメン店は「三吉屋」「蓬来軒」「かも屋」「政吉」などがあげられます。自分の一押しは「かも屋」です。

かも屋

かも屋は1959年創業。最初は「食堂 山新」という名前で、いわゆる食堂だったのですが、のちに「かも新」と店名をかえ、ラーメン一本に絞ったようです。平成18年に一度閉店。その後、新潟市東区のスーパーのテナントで「かも蔵」として再オープン。先代本人ではなく、お弟子さんが作っていました。そのお店ものちに閉店。現在は同じく東区の新潟空港近くにかも屋として復活しました。先代が作っていましたね。

「燕三条系背脂醤油」

燕市と三条市に多く見られるラーメン。特に燕市に多く、中には「燕系」と呼ぶ人もいます。個人的には三条にも美味しいお店が多いので燕三条系と自分は呼んでいます。はじまりは元祖「福来亭」で、その別館として「杭州飯店」というお店がありました。今現在は杭州飯店のみが残り、福来亭という看板は様々な地域でお弟子さんが継いでいます。杭州飯店は元祖福来亭から進化をかさねておりますが、燕市白山町にある福来亭白山町店は、元祖福来亭に近い味とされております。燕三条系の定義としては、タップリの背脂で覆われ、麺は極太麺、スープは煮干しの効いた濃い味。割と定義がしっかりとしており、個人的には新潟を代表するご当地ラーメンだと思っています。このラーメンは出前からはじまり、出前で麺がのびないように太い麺になり、スープを冷めにくくするために背脂でスープに蓋をしたとされております。燕市は金物産業が盛んで、仕事で疲れた労働者がこのラーメンを出前して栄養補給していたようですね。汗をかいて疲れた体には、コッテリでしょっぱいラーメンが体に染みたでしょう。代表するラーメン店は「杭州飯店」「福来亭白山町店」「大むら食堂」「まつや食堂」「いこい食堂」「中華亭」などがありますが、個人的にお勧めしたいのは「福来亭白山町店」です。

福来亭白山町店

元祖福来亭、三条福来亭の家系で、杭州飯店の分店と言ってもおかしくないお店です。店主は杭州飯店で修業を積みました。写真は「半盛り中華セット」で、半盛りのラーメンと餃子がつきます。半盛りと言っても普通のお店の通常の量と同じくらいで、このお店は餃子も美味しいです。しかもこのお店はご飯が無料、玉葱も無料で盛り放題なので、この上ないサービス精神です。

「長岡生姜醤油ラーメン」

長岡市でラーメンと言えばこの生姜系です。超人気店の「青島食堂」が発祥で、青島食堂で修業した人もまた各地で人気店となっています。名前のとおり、スープは醤油で生姜が効いています。きっかけとなったのは、大きな寸胴に半分くらい埋まる量の豚骨を入れて煮込む際、臭みをなくすために大量に生姜を入れたのがはじまりとされています。生姜の効いたスープは、極寒地の長岡にうってつけだったんだと思います。代表するお店は「青島食堂」「たいち」「ひぐま」「あおきや」「みずさわ」です。

青島食堂

やっぱり長岡生姜醬油ラーメンといえば青島食堂が美味しいと思います。他にもたいちやひぐまも好きですが、やっぱり青島食堂にはかなわないような気がします。青島食堂は1963年創業で、現在では新潟県に数店舗、また、東京は秋葉原にも進出し、超人気店になっています。間違いなく新潟県を代表するお店ですね。

「新潟濃厚味噌」

濃いめのスープで、薄めスープで好きに味を調整して頂く味噌ラーメンです。これが定義だと思われますが、実は薄めスープを提供するのは元祖新潟濃厚味噌の「こまどり」と、「ラーメン東横」「東横」だけなんです。ですので個人的にはこのラーメンをご当地としてあげるのは不服ではあります。元祖は間違いなくこまどりなのですが、東横も元祖とうたっており、その辺も曖昧です。それでも新潟濃厚味噌として取り上げられるお店は数店あり、「こまどり」「ラーメン東横」「東横」「東光」「ひさご」などがあげられます。個人的な新潟濃厚味噌のお勧め店は「ラーメン東横」です。

ラーメン東横

1983年創業のラーメン東横です。写真にある薄めスープが別に提供されます。以前は兄弟で営んでおりました。創業者は東京、横浜の四川飯店でホールスタッフとして働き、その後こまどりにて修業。現在の新潟駅南にお店を構えました。「東横」という名前の由来は「東京」「横浜」の頭文字をとって東横です。私は学生時代こちらの東横に相当通い詰め、一日に二回来店することもありました。自分のラーメンの原点です。ちなみに、ラーメン東横の兄弟の兄が「東横」として紫竹山にお店を出し、その後「東横」の2代目が各方面に支店を広げました。ややこしいですが、本家は「ラーメン東横」で、「東横」はそこから独立したお店という風に理解しています。私が好きな方は本家、駅南のラーメン東横です。

「三条カレーラーメン」

最後に三条カレーラーメンです。実は以前、新潟ご当地ラーメンは4大ラーメンとして紹介されておりました。ある評論家が4大ラーメンと定義し、別の評論家がカレーラーメンを付け加えて5大ラーメンとしました。後付けですが実はこのカレーラーメンは提供する店舗数も多く、日本の元祖カレーラーメンともいわれております。北海道や千葉県で元祖をうたうお店もあるのですが、三条市のカレーラーメンの歴史の方が古く、70年以上前から提供されていたと言われています。三条の中でも元祖と言われているのが「大黒亭」ですが、昔三条にあった「東京亭」が元祖だという説もあります。カレーラーメンと言えば必ず名前が挙がるのは「正広」です。その他、「大黒屋松屋小路店」「華園」「龍昇園」などがあります。

上:大黒亭本店 下:大黒亭松屋小路店

カレーラーメンで個人的に一番好きお店が上の二店。大黒亭本店は正統派のカレーラーメン、松屋小路店はとんかつカレーラーメンが大好きです。大黒亭本店は1933年創業ということで相当歴史があるお店です。新潟5大ラーメンの中でカレーラーメンは一番の不人気なのですが、この2店舗は他のラーメンと比べても甲乙つけがたいかと思います。

ここからは更に自分の主観的な考えですが、「新潟あっさり醬油」と「新潟濃厚味噌」に関してはご当地ラーメンとしてはあまりに店舗数が少なく、定義が曖昧なこともあって5大ラーメンに含まれていることに不満を感じています(嫌いというわけではありません。むしろラーメン東横に関しては好きなラーメンです)。新潟にはまだまだ多くのラーメンが存在し、その店舗数もどんどん増えつつあります。例えば新潟が発祥と噂される「麻婆麺」と、店舗数がえげつなく増え続ける「ラーチャン」も、新潟の代表するラーメンと言えます。

まるしん

連日行列ができているラーメン店で、麻婆麺は特に人気です。新潟市江南区にあります。つけ麺も有名で、新潟県のつけ麺文化の先駆けとも言われています。汁あり麻婆麺と汁なし麻婆麺があり、汁無しは冷たい麺に熱々の麻婆がのったギャップ萌えなラーメンです。

麺や忍

新潟市の麻婆麺人気の火付け役となったお店のような気がします。東横出身のてんしゅですが、濃厚味噌ではなく、燕三条系の背脂醤油とこちらの背脂麻婆麺を提供します。背脂と麻婆との相性が抜群で、背脂麻婆を提供するお店も多くあります。

さんぽう亭

こちらも人気ですね。さんぽう亭というチェーン店の全トロ麻婆麺です。スープがトロトロの麻婆餡なのでスープで薄まることがなく最後まで麻婆を楽しめます。今では県外にも進出しており、東京中目黒にもお店を構えます。

ラーチャン家

新潟県で順調に店舗数を増やしているのがラーチャン家です。最近では一部店舗で朝ラーも始めたようですね。ラーチャンというのはラーメンと炒飯のセットで、店名のその名が付き、ラーチャンをメインに営業しています。居酒屋チェーン店が展開するラーメン店です。

衆楽

元祖ラーチャンをうたうお店です。お客さんのほとんどがこれを注文し、ボリュームもあるので平日の昼は満席です。働く労働者の貴重なランチですね。

飯麺処 ほむら

三条市の国道沿いにオープンしたほむらでは、朝からラーチャンが頂ける貴重なお店です。ラーメンは塩と醤油が選べ、背脂のラーメンも定番として提供しています。

このように、麻婆麺やラーチャンも店舗数や人気から考えると十分ご当地のラーメンとして成り立っているかと思います。

新潟は今やラーメン文化では欠かせないものです。2021年のラーメン支出額では不動王山形県を遂に抜いて全国一位。2022年のネット投票ではラーメンが旨い県でもナンバーワンになりました。それに加え、カップラーメン消費でも全国一です。こんなにも全国的に名を挙げた新潟県のラーメンですから、新潟5大ラーメンも少し考え直すことが必要なのかなと思っております。

※あくまでも個人の感想です。

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